犬の歯磨きは不要?しないとどうなる?寿命にも関係ある?

2022年9月10日

犬の歯磨きは不要?

犬の歯磨きは不要?ガムだけても大丈夫?

犬の歯磨きはしないとどうなる?

犬の歯磨きは寿命と関係ある?

こんな犬の歯磨きをしない事に関する疑問についてご紹介いたします。

犬の歯磨きは不要?ガムだけでも大丈夫?

犬の歯磨きは不要?

人間は食事をしたら歯を磨きますが、犬は自分で歯を磨くことはできません。

では、犬に歯磨きは不要なのでしょうか?

または、犬用の歯磨きガムを噛んでいればそれだけで十分なのでしょうか?

結論から言うと犬も人間同様に歯磨きをする必要があります。

また、歯磨きガムを噛んでいればある程度の口腔ケアはできますが、汚れを全て取り除くことはできないので、ガムを与えている場合でも歯磨きは行った方が良いです。

犬も人間同様に歯磨きをする事で様々な口腔トラブルを防ぐことができるので、毎日の歯磨きを習慣化させるのが理想です。

しかし、いきなり歯磨きしようとしても、犬は口や歯を触られる事を嫌がる場合が多いため難しいでしょう。

そのため、歯磨きを習慣化させるには子犬の時から少しずつ慣れさせていく事がポイントになります。

成犬になってから歯磨きに慣れさせるのはかなり大変なので、生後1歳を迎える頃までに歯磨きに慣れさせるように訓練しましょう。

初めは歯磨きシートやクロスなどを使って口や歯を触られる事に慣れさせていきます。

慣れてきたら歯ブラシを使って歯磨きしてみましょう。

ポイントは無理矢理歯磨きしない事です。

歯磨きシートなどを使って短時間でも口に触れられたら褒めてあげる、と言う事を繰り返して、徐々に慣れさせていきます。

無理矢理抑え込んで歯磨きしてしまうと、歯磨きが恐ろしいものだと認識してしまい嫌がるようになるので逆効果です。

根気が必要ですが、時間をかけて徐々に歯磨きが出来るようにしていきましょう。

「歯磨きがそんなに大変なら歯磨きガムで口腔ケアすれば良いんじゃないの?」と感じる方もいらっしゃると思います。

確かに、歯磨きガムは歯の汚れを取るように作られた便利なアイテムです。

しかし、やはり歯磨きガムだけでは歯の汚れを完全に取り切ることはできないので、歯磨きできるように訓練する事は大切です。

ですが、歯磨きガムも口腔ケアに優れたアイテムなので、まだ満足に歯磨きできない犬などに対して歯磨きガムを使って口腔ケアする事はとてもおすすめです。

歯磨きガムを選ぶ際は、「硬過ぎず歯がしっかり入り込む物」、「歯垢を掻き取る構造になっている物」をポイントに選んでください。

硬すぎる素材の歯磨きガムだと歯が入り込まないため十分な歯磨き効果が得られません。

そのため、犬の歯が根元まで入り込むような適度な硬さのガムを選ぶようにします。

どのくらいの硬さが適しているかは犬の噛む力によって変わります。

犬種によって噛む力の強さに違いがあるので、それぞれの噛む力に見合ったガムを選んであげましょう。

また、ガムの構造がギザギザしているなど、歯垢を掻き取る構造になっている商品を選んだ方が歯磨き効果がより期待できます。

以上のように、歯磨きガムは犬の口腔ケアに効果を発揮しますが、それだけで歯垢などの汚れを取り切る事は難しいので、やはり犬にも歯磨きは必要です。

子犬の時から徐々に慣れさせるようにして歯磨きを習慣化していきましょう。

犬の歯磨きはしないとどうなる?

犬は歯磨きしないとどうなる?

犬も人間同様に歯磨きでの口腔ケアが欠かせません。

しかし、歯磨きの習慣化には時間がかかりますし、なかなか慣れない子もいます。

そのため、歯磨きの習慣化を途中で諦めてしまう方も少なくないでしょう。

では、犬の歯磨きを長期間しないでいるとどうなるのでしょうか?

歯磨きをしていない犬は歯周病を発症しやすく、これに伴う様々な問題が発生するため、健康を害する恐れがあります。

犬は人間とは違い、歯磨きをしなくても虫歯になることがほとんどありません。

「それじゃあ歯磨きしなくても問題無いんじゃないの?」そう感じる方もいらっしゃるでしょう。

確かに歯磨きをしなくても虫歯はほぼ発生しないのですが、その代わりに犬は歯周病を発症しやすいという特徴があるのです。

これは口腔内の環境に理由があります。

ポイントとなるのは「唾液中のアミラーゼ量」と「口腔内のpH値の違い」です。

人間の唾液中にはデンプンを糖へと分解するアミラーゼという酵素が含まれています。

このアミラーゼは消化酵素であり、デンプンを消化しやすくするために糖へと分解するのですが、糖は虫歯菌の餌にもなってしまうため、食後に歯磨きをしないと虫歯になりやすくなります。

では犬はどうかというと、犬の唾液中にはアミラーゼがほとんど含まれていないため、口腔内で糖が生成されることが無いので虫歯が発生しにくいのです。

もう一つの要因は口腔内のpH値の違いです。

人間の口腔内の環境は中性よりの弱酸性をしています。

一方の犬の口腔内は弱アルカリ性です。

そして、虫歯菌は酸性の環境を好み、歯周病菌はアルカリ性の環境を好みます。

そのため、口腔内が弱酸性である人間は虫歯が発生しやすく、弱アルカリ性の犬は歯周病が発生しやすいという違いがあるのです。

また、口腔内がアルカリ性に近い方が歯垢が歯石化するのが早くなるため、歯周病を発症しやすくなるという特徴もあります。

人間の場合は歯に溜まった歯垢が歯石化するまで約25日程度かかりますが、犬の場合は3~5日程度と非常に短時間で歯石化します。

そのため、犬の歯垢の歯石化を防ぐには最低でも3日に1回は歯磨きすることが望ましいです。

以上のような理由から、犬は歯磨きをしなくても虫歯になることはほぼありませんが、歯に歯石が溜まり歯周病に罹りやすくなってしまいます。

溜まってしまった歯石の除去は全身麻酔を施して行うため、犬の負担がとても大きいです。

また、歯周病を発症すると犬の健康に様々な問題が発生します。

このような負担や健康問題を予防するためにも、歯磨きは行った方が良いでしょう。

犬の歯磨きは寿命と関係ある?

犬の歯磨きと寿命

犬に歯磨きなどの口腔ケアを行うことで歯周病の発症リスクを下げる事ができます。

そのため、歯磨きと犬の寿命には少なからず関係があると言えるでしょう。

歯磨きを怠り歯に歯垢が溜まると、やがて歯石となり歯と歯茎の間に隙間ができてしまいます。

この隙間に歯周病菌が入り込むことで歯肉炎や歯周炎といった歯周病を起こしてしまうのです。

歯周病が進行すると歯茎から出血したり、歯がぐらついて動くようになります。

さらに進行すると歯が抜け落ちてしまうこともあります。

また、これらの症状には痛みも伴うため、犬の食欲が落ちて元気が無くなってしまう事も少なくありません。

さらに歯周病が進行すると、犬の頬が腫れて膿が溜まったり、歯周病菌によって下顎骨が溶かされて折れてしまうケースまであるのです。

歯周病の恐ろしさはこれだけではありません。

口腔内の歯周病菌が原因で、心臓や腎臓、肝臓といった他の臓器に細菌性の疾患が発生する事があります。

これらの臓器の障害は命に関わります。

このように、犬の歯周病は口腔内だけのトラブルにとどまらず、時には命に関わるような疾患の発生要因にもなってしまうのです。

そのため、口腔内を綺麗に保ち歯周病を予防する事が犬を健康に長生きさせる為の重要なポイントとなります。

このような理由から、歯周病予防に効果的な歯磨きは犬の健康寿命に関係があると言えます。

確かに、犬に歯磨きを慣れさせて習慣化するには根気が必要です。

犬の性格によってはなかなか慣れてくれず上手に歯磨きできないことも少なくありません。

そのような場合には歯磨きだけで完璧にケアしようとせずに、歯磨きガムや飲み水に入れるだけの口腔ケア商品など、手軽に使えるアイテムも併せて使ってケアしてあげましょう。

また、飼い主さん一人だけではどうしても歯磨きできないと言う場合にはプロにお任せしてみるのも一つの方法です。

犬の歯磨きを行っているトリミングサロンなどで一度相談してみて下さい。

愛犬がいつまでも健康に長生きできるように、歯磨きなどの口腔ケアを習慣化して口の中の健康を保つようにしましょう。

犬の歯磨きまとめ

犬の歯磨き
  • 歯磨きガムだけでは完全に汚れが取れないので歯ブラシで直接歯磨きをするのが理想
  • まずは口や歯に触れられることに徐々に慣れさせていく
  • 犬は口腔内が弱アルカリ性で歯周病菌が活発に繁殖しやすい上に歯石が溜まりやすいので歯磨きしないと歯周病になりやすい
  • 歯周病が進行すると口腔内だけでなく心臓などの重要な臓器にも病気が発生する恐れがあるため、歯磨きは犬の健康寿命に関係があると言える

今回は犬の歯磨きをしない事に関する疑問についてご紹介しました。皆様の愛犬の世話の参考にしていただけると幸いです。

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  • この記事を書いた人

マサ

20年以上の犬の飼育経験から得た知識を多くの愛犬家に発信しています。私の経験と知識が皆様の愛犬の世話のお役に立てれば幸いです。これからも有益な情報を発信していきますのでお時間がありましたらお付き合いください。

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