
犬はトイレの我慢をどれくらい出来る?
犬のトイレ24時間以上の我慢は体に悪い?
犬がトイレを我慢する理由は?
トイレを我慢できない犬はしつけで変わる?
こんな犬のトイレ我慢に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
犬はトイレの我慢をどれくらい出来る?

犬がトイレを我慢できるのは、成犬なら長くて12時間程と言われています。
ただ、この12時間という数字はあくまでも目安です。
犬それぞれの体の大きさやトイレの頻度、犬を取り巻いている環境や毎日の食事等で異なるので、全ての犬が12時間トイレを我慢できる訳ではないのです。
また、12時間我慢できるとしても、犬が体を休めている落ち着いた状態の時でしょう。
基本的に犬は成犬になると、尿だけでも1日3~4回のトイレが目安です。
1歳未満の子犬のトイレの場合は1日10回以上で、数時間おきに尿や便を排泄します。
このような点から犬が何時間トイレを我慢できるのか見極めるには、日頃から犬の観察が重要となってきます。
- 犬が食事等で水をどれくらいの量飲んでいるか
- 犬が1日でどれくらいの頻度で水を飲んでいるか
- 犬がどのタイミングでトイレに行っているか
- 室内で飼っている場合は家でトイレをしているか(外でもトイレをしているか)
等の犬の行動をよく知っておく必要があります。
人間と同じように犬にとってもトイレの我慢は負担になります。
最初から時間を決めつけて我慢をさせないようにしましょう。
犬のトイレ24時間以上の我慢は体に悪い?

24時間以上、犬がトイレを我慢している場合は犬の体に異変が起こっていると考える方が自然です。
もちろん、犬によってトイレ習慣は異なりますが、普段は1日に数回トイレをしている犬が24時間以上もしないなら我慢をしているか、したくてもできないかの何か理由があるはずです。
我慢をしているなら、我慢しすぎは犬の心も体にとっても負担になり病気に繋がります。
また、トイレがしたくてもできなくて既に何かの病気にかかっている可能性もあります。
いずれにしても異常事態と考え、速やかに獣医師に相談する方が良いでしょう。
トイレを我慢をしすぎると、次のような症状を起こす事があります。
膀胱炎
尿道に細菌が入り込んで留まり、炎症を起こす。
トイレの頻度が異常に増え、尿は出ないか出ても極少量。
病気が段々と悪化していく中で、犬が尿を出す際に痛みを生じて痛そうに鳴く事もある。
一回かかると再発しやすい。
また、犬がトイレを我慢している訳ではなく、したいのにできない場合は以下の病気が考えられます。
尿路結石
尿が通る部分に石(尿の中の成分が結晶化したもの)が詰まってしまう病気。
犬が尿を出す際に痛みで鳴いたり、尿に血が混じっている場合はこの病気の可能性が考えられる。
石が完全に尿の通りを塞いで出せなくなってしまう前に、気づいたら早めの受診が必要。
腎臓病
高齢の犬に多く見られる病気。
初めは無症状で気づきにくいが、沢山水を飲んでその分の尿をするようになるとこの病気の兆候の可能性がある。
時間をかけて腎臓の機能が悪化していき、最終的には尿が出なくなり犬が吐いたり食欲が無くなってきてしまう。
前立腺肥大
去勢手術をしていない雄犬に多く見られる病気。
高齢であるほどかかる可能性が高くなる。
体のホルモンバランスが悪化することで前立腺が肥大化し、尿だけでなく便も出にくくさせてしまう。
犬の状態が少しでも普段と違うと気が付けるように、あらためて日々の犬のトイレ観察が重要です。
犬がトイレを我慢する理由は?

犬が震える動作をしていたら、トイレを我慢している可能性があります。
トイレを我慢するのは以下のような、幾つかの理由が考えられます。
トイレは散歩(屋外)でするものだと思っている
特に室内で飼っている犬に多く、家でトイレをする考えを元々持っていなくて散歩以外は我慢するのです。
この場合は、家でも安心してトイレができると教えてあげましょう。
散歩時に「クリッカー」のような道具を使って音を鳴らし、家のトイレでもその音を鳴らしてみると犬は家でもトイレをして良いと考えるようになります。
トレーニングを繰り返す事で、最終的には道具を鳴らさなくても家で自然にトイレができるようになるでしょう。
用意しているトイレの置き場所が悪い、清掃状態が犬にとって不満
人間も同じように犬にとっても、自分がトイレで用を足すところは見られたくありませんし、汚いトイレでは気が進みません。
家族が頻繁に行き交う場所のトイレでは落ち着いてできないし、前回排泄したものがまだ残っていたりすると犬がトイレを我慢してしまう事があります。
特に神経質な性格の犬ならば、トイレの置き場所や清掃については配慮が必要です。
家でトイレをするのが不安
引っ越し先での新しい家、犬が夜に一人で留守番をしなければならない時等、犬を取り巻く環境が変化し不安に感じる為トイレを我慢する事があります。
この場合は無理矢理に犬をトイレに行かせると逆効果です。
散歩でトイレができるなら、まずはしっかり散歩の時間をつくり、様子を見ながら家でのトイレができるように「クリッカー」等でトイレのトレーニングをしてみると良いでしょう。
犬がトイレを我慢するのは、犬なりに理由があるはずです。
焦って無理に対応するのではなく、じっくり犬と向き合って解決していく事が大切です。
トイレを我慢できない犬はしつけで変わる?
これまで述べたように、トイレを我慢させるのは犬にとって負担になります。
ただ状況によっては、少しの時間犬にトイレをさせられない場面も出てくるでしょう。
犬との長時間の外出(病院や旅行時の移動)や犬のお風呂等です。
こういった状況ではトイレをコントロールするという方法で、犬のトイレの我慢を最小限に抑えられます。
盲導犬の訓練でも行われている方法で、人間が出す合図のタイミングで犬がトイレをするようにしつけるものです。
人間にとっては犬のトイレのコントロールが出来、犬にとってはなるべく体に負担をかけないでトイレができるというメリットがあります。
ポイントは予め合図の言葉を決めて、犬にとってそれがトイレの合図だと認識させる事です。
- 犬がトイレをしている時に「ワン・ツー」等の決まった合図(言葉)を言い続ける
- トイレが終わったら犬を褒める(「ワンツーできた!」等の言葉を言いながら褒める)
この一連動作を繰り返します。
繰り返していくと犬にとって「ワン・ツー」という言葉はトイレをする合図になり、その言葉を聞いたらトイレをするようになります。
また、予めトイレを用意してあるケージでトレーニングするのも良いでしょう。
- 犬がトイレをしそうなタイミングを見計らってケージに入れ、合図の言葉を言う
- トイレが終わったら、ケージから犬を出して褒めてあげる
これが犬に身に付くと、「ワン・ツー」という言葉を聞いたらそのタイミングでトイレをするので犬のトイレのコントロールができるのです。
但し、その日の犬の体調や水分量によっては上手くいかない場合もあります。
トイレのコントロールが必要な場面では、犬の負担も考えながら行ってあげるようにしましょう。
犬のトイレ我慢まとめ

- 犬がトイレを我慢できる時間は最長で12時間程だが犬により差はある
- 犬が24時間以上トイレを我慢している時は犬の体に異変が起きている可能性がある為、獣医師に相談する
- 犬がトイレを我慢するのは犬なりの理由がある為、よく観察し問題を見つけてあげる必要がある
- トイレを我慢できない犬はトイレをコントロールする方法がある
今回は犬のトイレ我慢に関する疑問についてご紹介しました。皆様の愛犬の世話の参考にしていただけると幸いです。